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ミックスエンジニアに渡すデータの作り方|ノンモン・パラデータ書き出しの基本

  • 執筆者の写真: 森谷 貴晴
    森谷 貴晴
  • 8 時間前
  • 読了時間: 9分

こんにちは!DTM作曲ボーカルミックスなどのオンラインレッスンを提供しているNext Lead Music Schoolの森谷です!


DTMで曲を作っていると、外部のミックスエンジニアにミックスを依頼したり、ボーカルレコーディングを行ったりする場面があります。


その時に大切になるのが、相手に渡すデータの作り方です。


「ノンモンって何?」「パラデータって?」「ミックスエンジニアに渡す時、エフェクトはどうすればいいの?」「ボーカル録音用のカラオケはどんな状態で作ればいいの?」


このように悩む方も多いのではないでしょうか?


データの作り方が分かりにくい状態だと、ミックスエンジニアやレコーディングエンジニアが作業を始める前に確認作業が増えてしまいます。


また、音の位置がズレたり、BPMに対してグリッドが合わなかったりすると、編集やミックスの作業にも影響が出る場合があります。


この記事では、DTM初心者の方に向けて、ミックスエンジニアに渡すためのデータ作りの基本を解説します。



▼目次

  • ノンモンとは?

  • パラデータとは?

  • 2小節空けてパラデータを書き出す

  • 日頃から3小節目から曲を作る習慣をつける

  • エフェクトは基本的にオフにする

  • 作り込んだサウンドはそのままでも良い

  • 自分でミックスしたWAVのデモも用意する

  • ボーカルレコーディング用のカラオケも用意する

  • ミックスエンジニアに渡す時のチェックリスト

  • まとめ:データ作りはミックス前の大切な準備



▼ノンモンとは?

FL Studio
曲を作り始める前のFL Studioの画面

テレビ・映像や音楽制作の現場では、「ノンモン」という言葉が使われることがあります。

ノンモンとは、ノンモジュレーションの略として使われることが多く、素材の頭とお尻に無音を入れることが多いです。


テレビCMの場合、素材の頭と終わりのそれぞれに0.5秒間の無音を入れることが一般的です。


アニメのオープニングやエンディングが、90秒ではなく89秒という微妙な秒数で制作されているのも、ノンモンの影響であると言えます。



▼パラデータとは?

パラデータ
パラデータが格納されたフォルダ

ノンモンが入ったボーカル、ベース、ギター、ピアノ、シンセなど、曲を構成している各パートを個別に書き出したオーディオファイルを「パラデータ」と呼びます。


書き出し方法はDAWやDAWのグレードによって異なる為、担当の講師へご相談ください。


ミックスエンジニアは、このパラデータをDAWに取り込み、それぞれの音量、音質、定位、奥行き、エフェクトなどを調整しながら楽曲を仕上げていきます。


つまり、ノンモンやパラデータは、ミックス作業の素材になる大切なデータです。



▼2小節空けてパラデータを書き出す

LogicPro
パラデータを書き出すために2小節空けた状態のLogicPro

ミックスエンジニアにデータを渡す時は、曲の冒頭を2小節空けた状態でパラデータを書き出すことをおすすめします。


例えば曲が3小節目から始まるようにして、1〜2小節目には無音を入れておきます。この状態で1小節目から各トラックを書き出すと、すべてのオーディオファイルの冒頭に同じ長さの無音が入ります。


そのため、ミックスエンジニアがBPMを合わせたプロジェクトにデータを取り込んだ時、曲の開始位置やグリッドが合うようになるのです。


ただしDTMでは、曲の途中から音が始まるトラックが多くあります。

例えば、イントロでは鳴っていないコーラス、2番から入るシンセ、サビだけに入るハモリなどが該当します。


それぞれのトラックを音が鳴っている部分だけで書き出してしまうと、ミックスエンジニアがDAWに取り込んだ時に、どの位置に配置すれば良いのか分からなくなります。


しかし、すべてのトラックを同じ開始位置から書き出しておけば、DAWに並べるだけで正しいタイミングに配置できます。


尚、ファイルのフォーマットはクライアントやエンジニアの指示に従いましょう。



▼日頃から3小節目から曲を作る習慣をつける

LogicPro
3小節目から打ち込んでいるLogicProの画面

ミックスエンジニアに渡すデータを作りやすくするためには、日頃から3小節目から曲を作る習慣をつけておくのがおすすめです。


1〜2小節目を空けておき、3小節目からイントロや楽曲本編が始まるようにしておくと、パラデータを書き出す時にもスムーズです。


もちろん、必ず3小節目から作らなければいけないというわけではありません。

ただ、冒頭に無音部分があると、あとから音を追加してほしいというオーダーがあった際にも対応しやすくなります。また、オートメーションを書いている場合の修正ミスなども回避しやすくなります。


冒頭に余白があると、カウント、クリック、録音前の準備、データの受け渡しなどがしやすくなります。特に、ボーカルレコーディング用のカラオケを作る場合や、外部のエンジニアとやり取りする場合には、この習慣が役立ちます。


この習慣はマナーみたいな位置付けでもあるので、Next Lead Music Schoolの生徒さんには、他所で恥をかかないようにしていただきたいと思い、可能な限り伝えるようにしています。


「うわ〜この人ノンモンも知らないんだ〜今風だな〜」と思われたくないのです。


編曲や曲作りを学びに来ている方にとって、データ作りに関するアドバイスは少し地味に感じるかもしれません。曲を作り始める段階から「3小節目から曲を始める」ことを意識しましょう!



▼エフェクトは基本的にオフにする

Recording Studio

ミックスエンジニアにパラデータを渡す時は、基本的にセンドで送っているリバーブやディレイ、インサートしているエフェクトはオフにして書き出します。もちろんマスタートラック(ステレオアウト)にインサートしているエフェクトも同様です。


理由は、ミックスエンジニアが後から音質や空間を調整しやすくするためです。

例えば、最初から強いリバーブがかかった状態で書き出されていると、後からリバーブを減らすことが難しくなります。


また、コンプレッサー、EQ、ディストーション、モジュレーション系のエフェクトなどが強くかかっていると、ミックス時に音作りの自由度が下がってしまう場合があります。

そのため、基本的にはなるべく素の音に近い状態で書き出すのがおすすめです。



▼作り込んだサウンドはそのままでも良い

AbletonLive
AbletonLiveの画面

ただし、すべてのエフェクトを必ずオフにしなければならないわけではありません。

例えば、次のような場合は、エフェクトをかけた状態のまま書き出した方が良いことがあります。


  1. シンセのフィルターや揺れが曲の雰囲気を作っている場合

  2. ギターの歪みやアンプサウンドがアレンジの一部になっている場合

  3. ボーカルチョップやサンプルに特殊な加工をしている場合

  4. リバース、スタッター、ゲート、ピッチ加工などが曲の演出として必要な場合

  5. エフェクト込みでフレーズが成立している場合


このような音は、エフェクトを外してしまうと制作意図が変わってしまいます。

そのため、作り込んだサウンドはそのまま書き出しても問題ありません。


大切なのは、「そのエフェクトがアレンジやサウンドの一部なのか」「ミックスで調整するための処理なのか」を分けて考えることです。



▼自分でミックスしたWAVのデモも用意する

PC and MIDI Keyboard

パラデータとは別に、自分でミックスしたWAVのデモも用意しておきましょう。

これは、ミックスエンジニアに曲の完成イメージを伝えるための参考音源です。


DTMで作った状態のラフミックスでも構いません。

自分がどのようなバランスで聴かせたいのか、どの音を目立たせたいのか、どのような雰囲気にしたいのかを伝えるために、とても大切なデータになります。


このデモ音源も、パラデータと同じように2小節空けた状態で書き出すことをおすすめします。

パラデータとデモ音源の開始位置が揃っていれば、ミックスエンジニアが確認しやすくなります。


デモ音源は、完璧なミックスである必要はありません。

むしろ、制作者が考えている方向性を伝えるための資料と考えると良いでしょう。



▼ボーカルレコーディング用のカラオケも用意する

Next Lead Music Schoolのメンバーシップでボーカルレコーディングを行う場合は、レコーディング用のカラオケ音源も用意していただいています。


ここでいうカラオケとは、歌を録音するための伴奏音源のことです。

ボーカリストが録音時に聴くための音源なので、歌いやすいバランスになっていることが大切です。


このカラオケ音源も、パラデータと同じように2小節空けた状態で作成しましょう。

1〜2小節目に無音を入れ、3小節目から曲が始まるようにしておくと、録音後のボーカルデータとパラデータの位置を合わせやすくなります。


特に、外部のレコーディングスタジオやボーカリストに依頼する場合は、カラオケ音源の開始位置がパラデータと一致していることが重要です。


また、レコーディング用のカラオケは、最終的なマスタリング済み音源ではありません。ボーカルを録音するための伴奏音源です。


そのため、音圧を上げすぎたり、強い処理をかけすぎたりする必要はありません。マスタートラックには何もインサートせず、自然な音量バランスで書き出しましょう。



▼ミックスエンジニアに渡す時のチェックリスト

Recording Studio

ミックスエンジニアやレコーディングエンジニアにデータを渡す前に、以下の内容を確認しておきましょう。

  1. パラデータはすべて同じ開始位置から書き出されているか

  2. 曲の冒頭に2小節分の無音が入っているか

  3. BPMやキーが分かるようになっているか

  4. マスタートラックにリミッターやマキシマイザーを挿していないか

  5. 不要なリバーブやディレイをオフにしているか

  6. ファイル名が分かりやすいか

  7. 自分でミックスしたWAVのデモを用意しているか

  8. ボーカル録音用のカラオケを用意しているか

  9. カラオケも2小節空けた状態で書き出しているか


このような準備をしておくと、エンジニアとのやり取りがスムーズになります。


【ファイル名も分かりやすくする】

データを書き出す時は、ファイル名も分かりやすくしておきましょう。

例えば、次のような名前にすると、何のトラックか分かりやすくなります。

  • Kick In.wav

  • Kick Out.wav

  • Snare Top.wav

  • Snare Bottom.wav

  • HiHat.wav

  • Bass.wav

  • Piano.wav

  • Synth1.wav

  • Synth2.wav

  • MainVocal.wav

  • DemoMix.wav

  • Karaoke_Rec.wav


日本語のファイル名でも問題ないですが、外部環境で文字化けする可能性もあります。できれば半角英数字を使ったシンプルなファイル名にしておくと安心です。


上記のファイルを1つのフォルダにまとめてBPMを記載しておけばOKです!



▼まとめ:データ作りはミックス前の大切な準備

ミックスエンジニアに渡すデータ作りは、楽曲制作の大切な工程です。

ノンモンやパラデータを正しく書き出しておくことで、ミックスエンジニアはスムーズに作業を始めることができます。


特に大切なのは、すべてのトラックを同じ開始位置から書き出すことです。

冒頭を2小節空けた状態でパラデータを書き出しておけば、BPMを合わせたプロジェクトに取り込んだ時に、グリッドや曲の位置を合わせやすくなります。


Next Lead Music Schoolでは、DTMコースDAW初心者コースミックス関連のレッスンなどをマンツーマンで学べます。


楽曲制作の基本操作だけでなく、パラデータの書き出し、ボーカル録音用データの準備、ミックスに向けたデータ整理なども、実践的に学ぶことができます。


ミックスエンジニアに渡すデータの作り方に不安がある方や、DTMで作った曲をより良い形で完成させたい方は、お気軽にご相談ください。


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