ボーカルミックスで”抜け”を出す3つの方法
- 中川雄太

- 3月2日
- 読了時間: 6分
更新日:6 日前
こんにちは!“歌ってみた”に特化したMIXコース、パラデータを使用したPRO MIXコースをオンラインで提供している、Next Lead Music School講師の中川です。
今回はミックスにおいてボーカルが埋もれてしまうという悩みをお持ちの方に、”抜け”を出す3つの方法を解説していきます。(音量バランスはある程度揃えている前提です)
※ここで解説するミックスは主に「歌ってみた」に関する内容です。
ポイント①:ボーカルのEQ処理
まずはボーカルのEQ処理を見直していきます。ここではピッチやタイミングのエディットは終えているものとします。
ピッチやタイミングが大きくずれていると、カラオケ音源に対して、気持ちよく馴染まない事が多いので気をつけましょう。

このように不要な低域はカットし、艶やかさを与える高音域をブーストしてみましょう。
もしその他のプラグインがインサートされている場合は順番も考えてみます。
例えば「EQ→COMP」と「COMP→EQ」では音が変わってきます。
(基本的にはEQ後にコンプの使用を推奨しています)

↑のセッティングで順番だけ入れ替えて比較してみました。実際に処理を施したあとの変化を見てみましょう。
今回は、2025年11月に当スクールからリリースした「男の迎え酒」のボーカル素材をもとに比較してみます。
歌のみだとパッと聴いて明らかに大きな違いは無いように感じますが・・・
オケ(楽器隊)と一緒に聴いてみましょう
COMPからEQだと少し埋もれがちな部分があるように聞こえるのでは無いでしょうか?
※約11秒〜の歌詞で言うと「手酌を〜」の部分とかハッキリ違いが出ていることを感じていただければと思います!
その他EQを分ける考え方として
「EQで余分な帯域をカット」
↓
「COMPをかけて整える」
↓
「EQで味付け程度にブースト」
という方法も是非試して頂きたいですね!
▼オススメのEQ
①FabFilter Pro-Q4
②UAD / Pultec Passive EQ Collection
ポイント②:パラレルコンプを使ってみよう

ただでさえややこしいコンプレッサーを並列で立ち上げていい感じにミックスする。そんなパラレル(並行・並列)で使用するコンプについて解説してみます。
色々なやり方が存在しますので、まずは普段レッスンでやっている方法を簡潔にご紹介します。
まずはボーカルトラックからセンドで3種類のコンプを立ち上げます。
その際各センドトラックにインサートするコンプの種類は別々にしておきます。
(例:FET.VCA.Opt等)
あとは音量に注意しながらいい感じに足していきます。
3つ使うもよし、1つだけ使うもよし、何なら追加して4つでもいいかもしれませんね!
(もちろんやり過ぎには注意です)
パラレルコンプを使用することにより、今までには無かった押し出し感やパンチ感が出てくると思います。

複数のセンドトラックでコンプされた音をミックスし、対象のトラックを支えてあげるイメージです。
▼オススメのコンプレッサー
①Universal Audio / 1176 Classic Limiter Collection
②Waves / dbx 160 compressor
③Universal Audio / Empirical Labs EL8 Distressor Compressor
④Softube / Tube-Tech CL 1B Mk II
⑤Pulsar Audio / VM-COMP
ポイント③:録音環境を見直す

ここまで2つの方法をご紹介しましたが、実はこれが一番重要と言っても過言ではありません。
そもそも可能な限り綺麗な音で録音できていれば、ある程度の「抜け」は保証されると思っても大丈夫です。具体的に3つの項目を解説していきます。
▼出来るだけ大きい音で声を録音する(S/N比を良く録る)
宅録勢には少々辛い内容ではありますが、可能な限り騒音の少ない空間にて、大きな声で録音することによりノイズが少ない状態で録ることが可能です。
録音をスタートする前にDAWのレベルメーターをしっかり見つつ、インターフェースに付いているマイクのインプットレベルを調整しながら、マイクとの距離感をどのくらいにするか決めます。
曲が盛り上がるところでは音割れに注意して調整できれば理想です。よくマイクとの距離は握り拳1つ分などと言われたりしますが、歌う楽曲やボーカルの声量によって全然変わってくるので、実際何度か録音しながら丁度良い位置を見つけてください。
▼反響がマイクに入らないように部屋を整える(吸音材の活用)
こちらも割と難しい問題ではあるのですが、歌声の反響音が多すぎるとモワモワした抜けの悪い音になってしまいます。
マイクの裏にリフレクションフィルターを設置したり、吸音材を近くの反射物に置いたりして対処します。卵パックや毛布などアイデア次第で身近な物が吸音に使用できますので、ぜひ一度試してみてください!
※ちなみに遮音材は音を反射させてしまうので間違えて使わないようにしましょう。
▼マイクやオーディオインターフェースをアップグレードする
ここは潔く機材の持つポテンシャルを引き上げてみるのもオススメです。
近年では大変コスパの良い機材が販売されていますので、当スクールでオススメしている機材のリンクを貼り付けておきます。
【オススメのオーディオインターフェース】
①SSL / SSL2 MKⅡ
②YAMAHA / URX22
③RME / Babyface Pro FS
その他、初心者にオススメしているオーディオインターフェースは下記にピックアップしています。(外部リンク)
【オススメのマイク】
①audio technica / AT4040
②WARM AUDIO / WA-87 R2
③NEUMANN / TLM 67
その他、初心者や中級者にオススメしているマイクは、下記の記事にピックアップしています。(外部リンク)
【最後に】
ボーカルにおいて"抜け"を出す方法は他にも色々あります。
そもそもリバーブをかけすぎていたり、音量調整が甘かったり・・・。
基本的な下ごしらえが出来ていない事も多く見かけます。
元々存在しない音域をサチュレーターやエンハンサーなどで抜けさせようとして、歌声が不自然な仕上がりになってしまうケースを見ることも多々あります。
もしボーカル自体の歌声が良い状態で録音できていれば、ミックス時に使用するプラグインもガラッと変わるかもしれません。
今回の内容を踏まえ、自分の扱うボーカル素材にとことん向き合って、より良い方向・良い音になることを願います!
MIXコースのカリキュラムの一部として「ボーカルの処理」がありますが、様々な角度から問題を解決する事を普段のレッスンで生徒様とお話し一緒に考えて導き出し、単なる形式だけの授業にならないよう心がけております。
興味ある方は無料体験レッスンをお申し込みください!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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