ゲームセンター
最終更新: 2020年9月27日
幼少期、私の家庭はゲームに否定的だったので親には買ってもらえず、ゲームセンターのディスプレイを眺めるのが日課だった。
大抵ゲームを買って貰えない理由の一つとしては "勉強をしなくなるから" だと思うが皮肉にも結末は、ゲームを買って貰えている同級生全員よりも頭が悪かった。
祖師ヶ谷大蔵駅近くのゲームセンター『OZ』(現タイトーステーション)には幼少期の頃よく行っていた。
今の私と同じくらいの年齢の青年がゲームで一喜一憂している姿を眺めるのが好きだった。
見てるだけでは勿論満足できるわけもなく、その日のジュース代を犠牲に煙草の臭いに塗れながら大人と本気の一発勝負をする。
そしてその纏った臭いに気がついた祖母にこっ酷く叱られる。
ゲームセンターでの出来事はよく覚えている。
クレーンゲームをしてる女子高生から貰ったぬいぐるみ、親くらいの年齢のおっちゃんから貰った缶サイダーの味、かき集めた小銭を100円玉に替えてくれた店長。
どれもこれも幼少期の自分にとってはとてもワクワクした思い出だった。
そんなOZが閉店するという事を聞いた。
小さいゲームセンターだったのでいつかは無くなると思っていたが遂にこの時が来てしまったかと。
大人になって足は遠のいていたがやはり思い出の場所が無くなるのは辛い物だ。
ゲームセンターに限らず昔と比べていつまでも人気を保ち、残り続けるのは難しい。
時代の求めてる物は常に変わり続けるし、それに合わせていくのにも限界がある。
ただ一つ思うことは、思い出だけはいつまでもそこにあり続けているということ。
きっとこの先何年も"OZであった"場所の前を通るたびに、夜遅くまで趣味の合う仲間と話し込んだ事を忘れる事はないと思う。
Sahara