森谷

2021年10月6日

音大か専門学校で悩んでいるあなたへ

最終更新: 2023年6月12日

こんにちは!ネクストリードミュージックの森谷です。

連日、進路相談についてお問い合わせ頂きます。

受験生にとって進路選択は大きな分岐点に感じるでしょう。

本日は手前味噌で恐縮ですが、私の受験期のお話と、音楽家を目指す為の進路を紹介します。特徴やメリット等も記載するので、進路について悩んでいる方は参考にしてみてください。

最初に前提として、私は商業(J-Popやアイドル、TV音楽等)のミュージシャンを目指して進路を模索していました。

音響やスタッフ業務、クラシックやコンテンポラリーの音楽家を目指す方は少し異なる点があると思いますので、ご注意ください。

【1】ギタリストになりたかった高校生

私は15歳の頃にギターを始め、17歳でピアノ教室に通いながら音楽理論の基礎を学習していました。ピアノ教室に通った理由は、ピアノができると今後の音楽人生に活用できるのではないか?と考えた背景があります。

アルバイトをして機材や電子ピアノを購入し、ピアノ教室に通う少し変わった子でした。

授業中も空ばかり見つめ、音楽の事を考えていました。

音楽に夢中の高校生と体験レッスンでお話すると、なんだか当時の自分と重なります。

そんな事を繰り返していたら、あっという間に受験生....

進路希望書の第1希望から第3希望まで全て「音楽家」なんて書いてみたら、職員室からお呼び出しが。

その後、両親から大叱責。簡単に応援してくれる親ではなかったなと感じます。

【2】人生の大きな分岐点だと考えていた受験

両親からは「大学へ行け」の一点張り。今思えば、両親もビックリしたのでしょう。

ですが私は15歳の頃に書き綴ったギターブログがプチヒットしていたので、何らかの形で音楽の仕事はできる!という謎の自信はありました。

そして大学へ行けと言われながらも、私は音大や専門学校に行く準備を進めていました。

勉強をするフリをして、音楽書やスコアを読みあさっていたのです。

結局音楽学校へのお許しは出ず、普通大学への進学を決めました。

この受験期での私の失態は、ウジウジしていた事です。良く言うと慎重になりすぎました。

勉強するならしっかり勉強する!大学に行かないなら、割り切って行かない!と選択しても良かったなと今考えると感じます。

専門学校でギターや楽器を習うのは何か違うなと感じていたので、ウジウジしていたのを両親は見抜いていたのかもしれません。

タイミングが良かったのか?大学で「DTM」というパソコンを使って曲作りをする方法を知りました。それからは曲作りの毎日。音楽制作会社ともご縁があり、23歳で作曲家デビューしました。

【3】主な進路

長くなりましたが、当時の私が考えていた進路を紹介します。

知人の作曲家やミュージシャンから聞いた話も含めて、音楽家へのルートを掲載したいと思います。

既に大人になって音楽の仕事をしている視点で書いていきますので、冷静かつ現実的な意見だとお考え頂けると幸いです。

(1)専門学校

私の周りのミュージシャンや商業作曲家で1番多いのが、この「専門学校」を卒業しています。仲間やライバルが出来るので、卒業後も一緒に活動したり、クライアントを紹介し合っている人が多い印象です。

入学後は基礎的な内容から進めるので、2年のうちにプロが排出できるレベルまで教育できるかは疑問を持ちます。仲間集めには最適でしょう。

付随して、歌を制作したい場合は専門学校がオススメできます。

理由としては下記です。

<メリット>

・講師は歌楽曲を制作している現役の作曲家が多いので、目標と合致する可能性が高い。

・学校にもよるが、機材も豊富なので活用しやすい。

<デメリット>

・良くも悪くも取り扱う曲のジャンルが様々。

・軽い気持ちで入学する生徒もいる印象。

(2)音大(海外含む)

商業音楽の中でも劇伴作曲家(ドラマやTV番組のBGM)を希望しているのであれば、音大に進学するのをオススメします。

主な理由は下記です

<メリット>

・専門学校より理論や劇伴制作に熟知している講師や教授が在籍している。

・海外等の難関大学には天才が集まっている可能性が高く、マインド面を含めてスキルアップに直結する可能性が高い。

・管弦学科等と連携して実際に自自身の曲を演奏してもらう機会がある。

<デメリット>

・学費が高くなりがち(国公立の芸術大学を除く)

もちろん多くのミュージシャンや作曲家を輩出している学校も多いので、音楽関係で「進学」という点では1番硬派にカテゴライズされると考えます。

(3)普通大学

意外かもしれませんが、高学歴の作曲家やミュージシャンは多いです。

効率的な学習方法や活動方法を自身で理解できているのが要因の1つかと考えます。

東京の話になりますが、早稲田大学や法政大学の音楽サークルには色々な人が集まっているので、自主的に交流の場を探してみましょう。

<メリット>

・良くも悪くも色々な人が集まる。

<デメリット>

・音楽に使える時間が少ない。

・音楽仲間に出会える機会が少ない。

(4)就職

私の先輩でも何人かいましたが、一般企業に勤めながら音楽制作を頑張る道もあります。

基本的に機材が高額になるので、コツコツアルバイトをするより実は効率的かもしれません。良い機材を使って沢山音楽活動をした方が、結果的に生産性は高いかもしれません。

就職といっても様々なので、音楽関係の企業に就職するのも良いと思います。

<メリット>

・お金が貯まるし必要な機材が買える。

・社会勉強が出来る。

<デメリット>

・音楽に使える時間が少ない。

・音楽仲間に出会う機会が少ない。

(5)フリーター

音楽家やミュージシャンで生計を立てる途中で、誰もが1度は近い経験をする可能性が高い「フリーター」。

音楽制作事業そのものが会社員として雇用していない企業が多いので、一般企業に務める感覚に比べて、金銭的には不安定に感じるかもしれません。

やりたい事が特別無いようであれば、普通大学に進学するか企業に就職してみてはいかがでしょうか?

<メリット>

・時間に融通が効く

<デメリット>

・金銭的な余裕が少ない

【4】まとめ

いかがでしたでしょうか?

色々お話しましたが、本人の努力やアクションによって未来は変わりますし、手順や段階を踏んで活動出来れば、作曲家やミュージシャンは決して悪い道では無いと感じます。

天才の周りには仕事やお金も集まるので、色々な面でアンテナを張る必要もありますし、一般社会でも役立つスキルに繋がると私は考えています。

結果的に私は若くから現場に飛び込んだので、作曲家/エンジニアデビューは早い方でした。「現場叩き上げ」という扱いになるのかなと思います。

私のような音楽大学を卒業していなくても音楽の仕事をしている人も多いです。

何事も最終的には「トライ」に限ります。

今回の記事が何か参考になれば幸いです。

Next Lead Music School 森谷